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事業主からみた停電による従業員の休業

2011 年 3 月 26 日 まーぼー

計画停電による、突然の解雇や休業があるようです。
停電を理由に便乗に解雇や休業している企業もあるとか。

停電

停電

突然事業主の都合で休業する場合、労働基準法の第26条休業手当が該当するので、6割の手当てを支払わなければいけません。

多くの企業では停電により休業を余儀なくされたところもあると思いますので、停電での休業についての法解釈があったので書いておきます。

法解釈のモトはなんと昭和26年にでた通達にが今も運用される。

結論は

停電による休業で、手当てを支払う必要はない。

計画停電は事業主の責任ではないと言うことです。

厚生労働省のHPからです。
その通達は


計画停電の時間帯における事業場に電力が供給されないことを理由とする休業については、原則として法第26条の使用者の責めに帰すべき事由による休業には該当しないこと。


計画停電の時間帯以外の時間帯の休業は、原則として法第26条の使用者の責に帰すべき事由による休業に該当すること。
ただし、計画停電が実施される日において、計画停電の時間帯以外の時間帯を含めて休業とする場合であって、他の手段の可能性、使用者としての休業回避のための具体的努力等を総合的に勘案し、計画停電の時間帯のみを休業とすることが企業の経営上著しく不適当と認められるときには、計画停電の時間帯以外の時間帯を含めて原則として法第26条の使用者の責に帰すべき事由による休業には該当しないこと。


計画停電が予定されていたため休業としたが、実際には計画停電が実施されなかった場合については、計画停電の予定、その変更の内容やそれが公表された時期を踏まえ、上記1及び2に基づき判断すること。

(参考)
基発第696号
昭和26年10月11日 都道府県労働基準局長 殿 労働省労働基準局長

難しい。

ここでいう 法第26条は労働基準法第26条休業手当という条文のことです。
裁判所の判例や法律の条文、通達は書き方が難しいですね、句読点を少なくするか、がんばっているみたいな文章。

解釈もあります。

休電による休業については、原則として法第26条の使用者の責に帰すべき事由による休業に該当しないから休業手当を支払わなくとも法第26条違反とはならない。なお、休電があっても、必ずしも作業を休止する必要のないような作業部門例えば作業現場と直接関係のない事務労働部門の如きについてまで作業を休止することはこの限りでないのであるが、現場が休業することによつて、事務労働部門の労働者のみを就業せしめることが企業の経営上著しく不適当と認められるような場合に事務労働部門について作業を休止せしめた場合休業手当を支払わなくても法第26条違反とはならない。

とあるけど充分わかりにくいです。

もっとくだいて言うと、

計画停電での休業は事業者の責任ではないので、停電中の休業について事業主は、使用者に給料も手当ても払わなくてよいと言うことです。

計画停電が回避されたとしても、休業が決まっている場合は給料も手当ても払わなくてよいとなっています。

ただ計画停電の前後は非常に曖昧な記載なので注意です。
そもそも労働基準法は「賃金や解雇等の労働者の労働条件について使用者が守らなければならない」ので、休業の決断までにしっかりと回避策を考えなければいけませんし、「経営上著しく不適当」って企業により、従業員により異なるので、どのように該当するのかは個々で確認しなければいけません。

大筋の判断なので、個別には運用の例が出てくると思います。

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